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ワンスアラウンドの『現場マガジン』 2023年2月22日号 |
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皆様、いつもご覧いただきまして誠にありがとうございます。 ワンスアラウンドで、ビームス みなとみらいのショップマネージャーをしております武島幸宏です。 今週は現役店長の目線で、店舗の今、そしてこれからをレポートする「店長からの手紙」の第12弾をお届けいたします。 現場からのレポートが少しでも読者の皆様のお役に立つことが出来れば幸いです。 |
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店長からの手紙 【vol.012】 |
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店長は指揮者である |
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約一年に亘り、現場に立つ店長の目線で、店舗の今とこれからについて皆様に
ショップレポートをお届けして参りましたが、
今回が最終回となります。拙文ではありましたが、ご感想を頂けることもあり、
少しでもお役に立てたとすればそれは大変に嬉しく、
先ずはお読み頂いた皆様に厚くお礼申し上げます。 最終回は私が考える「店長というお仕事」についてお伝えしたいと思います。 音楽が好きです。若いころにバンド活動をしていたことを初回の記事で触れました。 ロックやパンクだけでなく、テクノ、ジャズ、レゲエ、ヒップホップ、なんでも聴きます。 まったく詳しくはありませんが、母親の影響でクラシックも聴きました。 今でも音楽のニュースや評論を読むことは多いのですが、オーケストラの指揮者に関する記事が目に止まり、 考えさせられることがありました。 ずいぶん昔に読んだものなのですが、こんな内容でした。 「様々な楽器を携えて居並ぶメンバーの前に徒手空拳で現れ、 身振り手振りと表情で音楽を演奏する(あるいはさせる)のが指揮者です。 指揮者に対する評価は、おしなべて演奏家に対するものより厳しいものがあります。 それは、彼が100人あまりもの芸術家を相手に、自己主張しつつ音楽をまとめあげるという難事業を、 完璧に近くこなす存在であるべきだ、と考えられているからです。 オーケストラは、いわばひとりの指揮者の楽器といってもよいでしょう。 ところで、同じオーケストラで、同じ曲を演奏しても、 指揮者によって演奏の内容が変わることをご存じでしょうか。 テンポや曲想にそれぞれの指揮者の解釈が表れ、異なった印象で聴こえる場合があります。 その差を聴衆が聴き比べる基準は、曲全体を聴き終えた後の満足感や充足感、加えて、心に残る後味にあります」 スケールは大きく異なるかもしれませんが、「指揮者と店長の仕事はよく似ているな」と、私は思いました。 指揮者は店長、演奏家はスタッフ、音楽は成果、そして聴衆はお客様。そう置き換えられるような気がしたのです。 |
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【責任、自信、そして誇り】 |
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売場の指揮者である以上、店長はお客様とスタッフが満足出来る環境を作る為、
店舗のあらゆることを理解し、あらゆる顔を持たなければいけません。 ある時はスタッフを指導する教育者。ある時は取り組みを落とし込むプレゼンテーター。 またある時は館や本社に企画を持ち込む営業マン。VMDプランを組み立て、 実際に商品を陳列していく職人である時もあるかもしれません。 たくさんの顔を持つがゆえに、たくさんの業務に店長は携わります。 やることが多くて大変だ。そう話す店長を多く知っています。私も未だにそう思うことはあります。 ですが大切なのは、店長は指揮者であるという心構えを持つことだと私は思います。 指揮者は演奏家ではありません。楽器ではなくオーケストラを演奏し、 あるいはさせ、聴衆の心に残る音楽を作り上げるのが仕事です。 それと同じように、店長はお客様が満足し、スタッフが充足する店舗を作り上げるのが仕事です。 そのためにたくさんの顔を持ち、行動し、また、させることの出来るただひとりの、かけがえのない存在なのです。 店長は自らの仕事に、責任だけでなく自信と誇りを持って携わっていくことが大切です。 |
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【深謝 〜嬉しいを繋げる〜 】 |
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「血の通ったお店」であろう。 私は、これからスタッフが変わっても、あるいは他店舗の店長になっても、このビジョンを変えることはないでしょう。 場所や時代が変わっても、お客様の満足とスタッフの充足が成果に繋がり、 そしてそれはあたたかい心の通い合いの中から生まれてくると信じているからです。 最後に、私に改めてそう信じさせてくれた女性スタッフYのレポートをご紹介させてください。 |
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自分と一緒に仕事をしているスタッフが、こうした心持ちで売場に立ってくれていることに、私は『深謝』しました。 そして、店長であることの、この上ない嬉しさと充足を感じました。 お客様の嬉しいが、スタッフの嬉しいになり、それが私の嬉しいになる。嬉しいが繋がり、売場が嬉しいで溢れる時。 それは、指揮者がオーケストラを率いて心に残る音楽を演奏し、万雷の拍手を浴びる時と似ているかもしれません。 |
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