ワンスアラウンドの『現場マガジン』 2022年12月14日号

皆様、こんにちは。
ワンスアラウンドで新卒採用を担当している岡田聖子です。
今週は、『人を育てる』シリーズの第30弾。
今回はインターンも終盤に近づいた24卒採用で実施した 「23卒内定者×24卒就活生座談会」で感じたことをお伝えしたいと思います。

人を育てる法則 【vol.030】


時間と手間がさらにかかる24卒採用になる?
大学3年の4月から就活が実質スタートし、例年より早いスタートを切った24卒採用。
11月に発表されたディスコ調査によると、9月時点でインターンシップ等に参加した学生は 73.8%(23年卒対比5.4ポイント増)で、今年入社した22年卒(46.8%)と比べると、 1.5倍以上も増加しています。参加した会社数の平均は、5.61社と23年卒の5.30社から微増で、 24卒の7割以上は9月の段階で既に5〜6社を比較する就活経験をしていることがわかります。

大学3年の7〜9月のサマーインターンからの新卒採用がデフォルトになりつつある今、 早期に出会った学生をどう選考までつなぎ止めるかに悩む企業は多いと思いますが、弊社もそのうちの1つ。
せっかく出会えたサマーインターン生に選考への参加意欲を継続してもってもらえるように、 今年は新たなイベント「店舗でアルバイト中の23卒内定者×24卒サマーインターン生のオンライン座談会」を 11月に実施したところ、24卒の特徴的な二極化を感じるシーンがいくつかありましたのでご紹介します。
<24卒学生は8割以上が業界をもう決めている>
学生アンケートによると、10月の段階で既に85%以上の学生が志望する業種や職種を決めているようです。
私も24卒の学生に座談会で同じ質問をしてみましたが、やはり既に決まっていました。
「今アパレル業界でアルバイトをしているから」という理由は納得ですが、 そうでない学生も同じ業界に決めていると答えており、 こんなに早く業界を絞って大丈夫かな?と少し心配になりました。
アパレル業界でアルバイト中の学生も、「以前違う業界でアルバイトをしていたが、 残業が15分毎しかつかずブラックなイメージを持っていた。 アパレル企業は1分毎の残業がつくので、アパレル業界が良い」と思ったそうで、 狭い体験の中で業界を絞っている危うさを感じました。

既に業界を絞っている学生ばかりだったため、座談会では業界や企業風土に関する質問はなく、 「選考ではどんなことを聞かれるか?」「面接で困った質問は?」 「面接の雰囲気は?」「適性検査の種類は?」など、“選考”を意識した質問ばかり。
理由を聞くと、既に選考が始まっている企業が数社あるとのことで、 意識が既に選考対策に移っていたことに驚きました。

<4割以上が既に選考に進んでいる企業がある>
先ほどの学生アンケートによると、既に4割の学生が選考に進んでおり、 エントリーを意識した企業選びをしている人をあわせると、 全体の7割以上が選考を念頭に置いた就活に既に切り替えているようです。
11月の座談会で先輩へ質問する項目が、“選考”に関することばかりだったのも頷けます。
会社のことをよく知ってもらおうと思って企画した座談会でしたが、 結果的に1つ上の先輩に“選考”の話が聞けるタイムリーな場の提供ができたことで、 想定以上に喜んでもらえたようでした。

終了後の学生の感想をご紹介します。
●一学年上の方、かつ新卒でアパレルに就職された方とお話しする
 機会は今後ないと思います。貴重な機会をありがとうございました。
●選考がどういう形なのかなど、不安だった部分が解消されました。
●座談会があることで、モチベーションアップにもなり、就職活動を
 より頑張ろうと思うきっかけになりました。


24卒は2層に分けたケアが必要
24卒の学生は、早期に業界を絞り込んだ学生だけではありません。
もちろん、今の時期に業界を絞っている段階の学生もいますが、 11月後半に実施した1dayインターンでは、下記のようにまだ情報収集中の学生の割合が多いように感じました。

●いろいろな企業を体験している途中
●自分で探すよりスカウトをもらった企業から選んだ方が楽そう
●企画の仕事をしたいので、社内でどんな仕事があるのかを
 まず聞きたい

早くから就活をスタートし、絞り込んだ業界・業種の中で秋の段階から選考を意識した準備を始めている層 と、 どの業界・業種にしようかまだまだ決め切れていない層 の2極化が、 はっきりと分かれている24卒の採用では、インターンや説明会も含めた選考フローの時々で、 同じ温度感の学生が揃っていないと、学生自身が不安に感じることがあるかもしれません。

同じ時期に行う説明会も、就活の意識ステージ別に2種類用意して説明会の内容を変えるなどの対応を考えないと、 学生のニーズにマッチした情報提供が出来なくなりそうです。

完全に売り手市場になった今、採用人事はますます細分化した工程を用意する必要があり、 時間と手間が昨年以上にかかる24卒になるのではないかと予想しています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

来週は「変わる時代、変わる店」をお届けします。
どうぞお楽しみに!

ワンスアラウンド株式会社
シニアディレクター

キャリアコンサルタント(国家資格)  岡田 聖子

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