![]() |
|||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||
皆様いつもお読みいただきましてありがとうございます。 ワンスアラウンドが毎週お届けしている『現場マガジン』は、文字通り我々が運営する《現場》発の ホットな情報をお届けするメールマガジンです。 今週は、『マーケットレポート』の第15弾をお届けします。 コロナ禍でのマーケットの変化と、商業施設を中心とする現場の変化をタイムリーに捉えながら、 自らも現場を持つ弊社ならではの視点で、これからの時代へのヒントをお届けしたいと思います。 |
|||||||||||||||||||
【Market Report vol.15】 |
|||||||||||||||||||
![]() |
|||||||||||||||||||
ショッピングセンター(SC)の未来を考える ―第6回― こんにちは!ワンスアラウンド顧問の馬場です。 前回は、リアル店舗の運営の在り方(FCと販売代行)を取り上げ、「リアル店舗」と「EC」の連携による オムニチャネル化の進行は避けられないことを再確認しました。 そして、テナントの成長戦略や生き残り戦略を受け入れる体制をいかにスムーズに作るかを SCのミッションを中心に考えることがSCの使命だと述べました。 |
|||||||||||||||||||
創業から100年を超える百貨店の検証 SCとともに小売業界を牽引してきた「百貨店」は、バブル崩壊後の30年間、売上は減少し続けており、 百貨店業態のポジションも低下していますが、一方では100年以上継続しているお店が数多くあります。 そこには継続し続けている理由があり、今後のSCの参考になるのではないかと思い、 今回は百貨店の変化と状況を調査しながら、少し掘り下げてみたいと思います。 |
|||||||||||||||||||
(1)百貨店創業の歴史 |
|||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||
(2)百貨店とSCの売上高の推移 |
|||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||
(3)売上高減少の原因と100年以上続いている強み 百貨店売上高は、30年間下がり続け、ピーク時からは約半分の売上規模となっています。 その理由はどんなところにあったのでしょうか? 社会的、環境的変化の視点でみると、
一方、老舗と呼ばれる百貨店は、創業時は呉服屋でしたが、その後、様々な商品を扱いながら、 リスクを負って「目利きし、仕入れて売る」という商売形態を守り続け、 戦後は小売業の中核として消費拡大を支えてきました。 しかし、高度成長期に入ってからは、アパレルを中心としたゾーニング編成になり、 前述したような「消化仕入れ」という日本独特のシステムによって、 いつの日かリスクを負わない体質になったように思います。 そのリスクを負わない体質の影響は、大都市圏の優良立地にある「本店」は好調でも、 郊外や地方の「支店」は大苦戦という状況に如実に現れます。 併せて、海外からのカテゴリーキラーやファストファッションの日本進出、 国内ブランドのユニクロ、無印良品、赤ちゃん本舗、ニトリなどの大型化、 そして何よりも、SCや駅ビルの進化と急拡大に伴い、百貨店業態は急激に失速しました。 「殿様商売」と呼ばれる高コスト体質となり、得意ジャンルであった家具、 家電などのカテゴリーが売場から消え、加えてアパレル分野でもSCにお客様を奪われてきました。 ただ、継続し続けてきた百貨店の背景には、何か重要な強みがあるのではないかと思います。 それは、一言でいうならば、「百貨店は変化に対応できる小売業」であったこと、 そしてそれを支える「お客様の信頼」と「一等地という立地(不動産価値の高さ)」があったと思います。 |
|||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||
見えてきたこと、学んだこと |
|||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||
業種としては、百貨店は「小売業」、SCは「不動産業」に分類されますが、 両者は、利益の源泉=事業構造が違っています。 つまり、百貨店は「商品売上」、SCは「テナントからの賃料収入」が利益の源泉です。 事業収入が安定するため、現在は、SC化の方向性に向かう百貨店も多いのですが、 統合や合併による事業再編の事例としては、1969年創業の玉川高島屋SCと池袋パルコは、 半世紀にわたって、百貨店とSCが連携して発展してきた事例だと思います。 |
|||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||
このように、百貨店は自社所有を含めた不動産を経営資源として、
売却や新たな事業展開に振り向けて、自前、もしくは外部とコラボレーションをしながら、
事業を活性化させることが出来ます。 奥田特別顧問が「テナント業」と言われるように、百貨店の本質を変えないで事業転換する視点も重要かと思います。 <今回のまとめ> ■社会構造と生活の変化の中で百貨店、SCに求められるもの 一時代を築いてきた百貨店は様変わりしましたが、SCも2018年をピークに減速し始めたところにコロナ禍が襲い、 これからはより厳しさが予測されます。 百貨店の二の舞にならないように、未来に向けての準備が必要です。 今後のSCモデルの方向性は「多様化」だと思います。 これからは 「DEVのタイプの分化と立地別の分化」が進んでいくのではないでしょうか? 現在の既存DEV(電鉄系、不動産系、流通系等)は、MD編集で差別化を目指していますが、 同質化が否めません。 ただ、ここに来て施設規模は大きくはありませんが、これまでテナントとして出店していた企業が、 自らの経営理念を体現する施設(店)が現れています。 (例:蔦屋書店T-SITE、無印良品、スノーピーク等) これらは今後の新しい切り口の芽として参考になるのではないでしょうか? 一方、立地条件についても、都心型、郊外型、地方型としての括りがありましたが、 コロナ禍によるテレワークの普及に伴い、都心と郊外の中間で、 より住に近づいた立地(例:立川、南町田等)がクローズアップされています。 施設もアパレル中心の「モノ」から「コト」「トキ」構造への推進が求められていますが、 規模と立地に応じて、商業施設から生活施設へ、さらに社会施設へとシフトしていくのではないでしょうか? そして、そのためには地域再生の一環として、官民連携が必要となります。 経営者が良く引用するダーウィンの言葉に この世に生き残る者は 最も強い者が生き残るのではなく、 最も賢い者が生き延びるのでもない。 唯一生き残ることが出来るのは、変化に対応出来る者である という言葉があります。 変化への対応が求められる小売業においては、大きな社会を捉える「鳥の目」、それに加えて変化を見ながら、 流れを読み取る「魚の目」、そして日々のビジネスを円滑に進める「虫の目」が重要となります。 この3つの視点を忘れずに、百貨店とテナントの集合体であるSCは、 今後の在り方を時代に問いかけながら前に進みましょう。 |
|||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||
このメールマガジンは、お客様によるご登録や名刺交換など、弊社と何らかのご縁をいただいたお客様にお届けしております。 |
|||||||||||||||||||
バックナンバーはこちらからお読みいただけます。 |