ワンスアラウンドの『現場マガジン』 2021年1月13日号

いつもお読みいただきましてありがとうございます。
今週は、『人を育てる』シリーズの第七弾。
弊社で毎年記名式で行う全社員対象のESアンケートと、個別キャリア面談の中で、 特に女性に見られた実例をご紹介しつつ、仕事上での男女コミュニケーションの違いについて、お伝えしたいと思います。
人を育てる法則 【vol.007】
男女のコミュニケーション方法の違いを
認識して、すれ違いストレスを軽減しよう

皆様、こんにちは。
ワンスアラウンドで新卒採用を担当している岡田聖子です。
弊社では、毎年社員に従業員満足度調査( 「WE診断」という名称の、ESオンラインアンケート。 ”WE”は”Working Energy”(働くエナジー)の頭文字)を記名式で行っております。

記名式だと、本音が出てこないのではないか?と思われる方もいらっしゃると思いますが、 対面ではなかなか言えないことでも、オンラインでならとコメントを入れてくれる傾向があります。
限られた本部メンバーしか、それを見ることはありませんが、短い文章の中から、「あれ?」と何かの兆しや異変を感じたら、 すぐに本人に連絡して対面で面談するなかで、話を聞くことで解消出来るメリットがあり、記名式にしています。
スタッフも1年に1度のこの機会に、言いたいことを書いたら、誰か反応してくれて話を聞いてもらえることを承知しており、 結構な量のコメントが集まります。

また、ESアンケートとは別に、新卒で入社した社員には、数年に一度、「キャリアインタビュー」面談も個別に行っており、 成長の度合いや、ライフステージの変化による悩みなどを聞く機会も設けています。

先日、その2つを実施したのですが、
「悩みを話しても男性の上司にはわかってもらえない。」
「男性上司には思いが伝わらない」
と感じている女性社員の声が複数ありました。
例えば、このような女性社員の悩みが上がってきています。


●事例【1】:男性上司のコミュニケーション方法に違和感あり
現場はパートさんを含めてすべて女性。自店を統括する上司が、 女性から男性に替わってから、下記のような不満を感じている。

男性の上司になって小さなコミュニケーションが減った。
(以前の3日〜週に一度から、月に一度程度に)
現場メンバーへの言い方や伝え方などに、配慮が足りないと感じることがある。


●事例【2】:悩みを聞いてもらえない
こちらも現場はすべて女性。店長歴がまだ短く、年上のパートさんとの 仕事のスタンスの違いに悩み中。店舗を統括する男性上司に悩みを訴えると、 「いつもそんな話をしてるけど、前にも聞いた話=終わった話では?」 「要は自分の考え方次第ではないか?」と返されてしまい、 ちっとも話を聞いてもらえていないと感じている。

「もうこの人には伝わらないのかも・・・」と最近は男性上司とは、 重要な話や業務上のことしか話をしなくなった。


●事例【3】:愚痴を言う機会がなくなり不満が溜まっている
今まで上司の采配や組織体制に不満があった時は、本社メンバーなどにも 話を聴いてもらい解消してきた。しかし、コロナ禍で雑談が出来る機会が激減。 不満が溜まり退職も考え始めている。

とにかく話をきちんと聴いて欲しい。(私を気にして欲しい)


●事例【4】:結果が出せない不安な気持ちを分かってもらえない
店長経験がまだ浅いので、店長はこうあるべきと思う自分の理想像と 現実の自分との乖離に悩んでいる。 不満が溜まり退職も考え始めている。

売上が低迷しているのは、コロナ禍による外的環境要因なのに、 自分の技量が足りないせい=自分は店長に向いていないと悩んでいる。


●事例【5】:出来ない目標を立てられて戸惑っている
数値の背景や、細やかな説明がないままに、理想とする高い目標値を言われた。 店長なので、ゲンナリする現場メンバーとの間に挟まれて取り持つのが大変。
いきなり大きな目標を上司に立てられても、 「そんなのできっこない」と気持ちがひいてしまう。


実はこの面談時間は最低でも90分、最長はなんと5時間もかかりました!
時には涙も交えながら、担当者はとにかく話を聴くことに注力します。
上記の5つの事例は、皆様の周りでもよく聞く話ではないでしょうか?
【1】〜【3】は話を聴いて欲しい! 【4】【5】は気持ちを分かって欲しい!
というニーズなのですが、面談終了後には以下のようなコメントが聞かれました。

「思っていたよりたくさん話した自分に驚いた」
「話をしてなぜ自分がこんなに不満を貯め込んでいるのかわかった」
「このように話す場が最近なかったと話をして気が付いた」
「男性上司からは女子特有の(愚痴?)話の解決策は出てこないし、 そもそもわかってもらえない。聞いてもらえて嬉しかった」


【1】〜【3】は、悩みの根本が良くわからずもやもやしている人も、 話すことで自分を俯瞰して見ることが出来て気持ちが落ち着くことや、 悩みが解決されなくても、話を聞いてもらえるだけで不満の気持ちが半減すること 等の効果があるようです。
話す頻度が高いほど、お互いの心の距離が近くなるのだと思います。

【4】【5】に関しては、
真面目で、完璧に出来て初めて合格と考える女性も多いので、
「目標を設定するときは、あまり大きなものでなく、少し頑張ればクリアできそうな スモールステップから入るようにアドバイスする」
「最初から100点でなくてもいいと伝える」
「本人が安心するまで伴走する姿勢を示す」
など、
話す内容よりも、「話し方、伝え方」のほうが重要な場合もあります。


脳科学の分野では、女性は右脳と左脳をつなぐ脳梁が男性より太いため、 複数のことを同時処理する能力に優れている一方で、情報が混在して話が逸れる傾向があるようで、 ゴール思考で目的型の男性脳に対し、 プロセス思考で共感型の女性脳と言われているようです。
この男女の脳の違いをお互いが理解していれば、今回の事例と同じ状況であったとしても ストレスの感じ方は大きく違っていたと思います。

男女が互いの違いを認識することが、多様性の受容へ、 そして女性リーダーが活躍する環境づくりへとつながっていきます。
そして、何よりも職場でのストレスを減らすことにつながります。

弊社内でも、早速そのような研修プログラムが出来ないか検討してみたいと思っています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

来週は、「ショップレポート」をお届けします。
どうぞお楽しみに!

ワンスアラウンド株式会社 シニアディレクター
キャリアコンサルタント(国家資格)

岡田 聖子


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