ワンスアラウンドの『現場マガジン』  2020年10月14日号

皆様いつもお読みいただきましてありがとうございます。
ワンスアラウンドが毎週お届けしている『現場マガジン』は、文字通り我々が運営する《現場》発のホットな情報をお届けするメールマガジンです。
今週は、『ショップレポート』第7弾。
今回は、店舗の業務改善で「EC売上」を劇的に上げた取り組み事例をご紹介します。

ショップレポート【vol.007】



ネットとリアルの融合がリアル店舗にもたらすものは何か?

皆様、こんにちは。
今週も前回に引き続き、弊社の現場で取り組んでいる 「チャレンジもっともっと」の活動内容をご紹介致します。
3年越しでSNS売上げアップに取り組み、大きな成果を上げたショップ事例を参考に、 ネットとリアルの両立をはかることで生まれる相乗効果について考えてみたいと思います。

「SNSを通じて見えないお客様を接客する!」

Withコロナの時代でEC売上がさらに大きく成長するなかで、 ネット売上がリアル店舗を上回る実績を出しているところも今では少なくありません。

今回、この取り組みを行った店舗も、3年前から 「SNSを通じて見えないお客様を接客する!」という取り組みテーマを掲げ、 地道に取り組んできました。
1年目、2年目と少しずつ手応えを感じはじめ、インバウンド売上も停滞してきた3年目に、 思い切って優先順位を「SNS売上」にシフトしてきた結果、 大きな成果を上げた背景には緻密な作戦がありました。
既に手掛けているお店も多いと思いますが、スタッフ全員で話し合ったその作戦の一部をご紹介したいと思います。


その1:業務の効率化で時間をつくる
SNS売上を最大化するために、いかにスタッフの撮影〜投稿までの時間を捻出するかがまず最初の課題になりました。
そこで業務の徹底した棚卸しを行いました。店長がスタッフ全員の意見を聞きながら、 「20秒で品出しが出来るためのストック」「商品ストック作業は1点につき10秒以内」「手書き書類を排除!」 という目標を立て、店休日を使ってストツクの大改造を行いました。
その結果、塵も積もれば山となるという言葉通り、スタッフ全員が時間を意識した作業を行うことで、 1日30分、1か月で15時間という時間を空けることが出来、その中で投稿時間を捻出することが出来ました。

その2:個人別に投稿目標を設定する
SNSは何といっても投稿量が重要。
そこで店全体の投稿数目標を決めて、それを達成させる為に、個人別目標を設定しました。 お気に入り数やフォロワー数の多いメンバーには更に高い目標にチャレンジしてもらいました。

その3:人気商品は2回投稿する
SNS投稿経験が豊富なスタッフの提案で、人気ブランドが入荷したらシーズンの先物でも、 とにかくすぐにアップし、いち早く多くのお客様の目に留まるようにしました(これは予約にも繋がります)。
その後、他の多くのショップが上げてきた時、つまりお客様のウォンツが高まっている実売期のタイミングでもう一度投稿を行います。
この2回のタイミングを逃さずアップすることで、確実に売上に繋げることが出来ました。

その4:リアル店舗のお客様にもアピール!
レジカウンターに自店&各スタッフ別フォロー用のQRコードを掲示し、 お会計中にお客様にご紹介してその場で登録して頂きました。 そこですぐに自分の投稿サイトに飛んで、様々なスタイリングをアピールできました。
その後は自分の投稿が埋もれることなく確実に目に留まる確率が増え、 自店&各スタッフのフォロワー数が増えていくとともに、リアルでのリピート購買にも繋がっていきました。


こうした取り組みを行った結果、SNS売上は前年の2倍近くに大きくアップしましたが、 それ以外にも以下のようなメリットがありました。

●スタッフのセールストーク磨きに繋がる
スタイリングやブログに載せるコメントを考えることで、確実に商品知識とボキャブラリーが増え、販売力がアップしました。
また、新人スタッフのトレーニングとしても非常に効果がありました。

●お客様が欲しいものを欲しい時に提供できる
今までは店頭に在庫が無い時には、お取り寄せか他店をご紹介していましたが、 今は、店頭でお客様がお気に召したものがECでもすぐに手に入れることが出来るようになりました。
スタッフの話によれば、以前はリアル売上に拘って、ECを紹介することがあまりなかった時期もありましたが、 ブランドルールが変更され、EC売上の一部が還元されるようになると、スタッフのモチベーションも上がり、 店舗の都合だけではなく、さらにお客様にとって最善の方法を提案するようになりました。

最優先項目として取り組んだSNSでしたが、折しものコロナ禍による2ヶ月の休業を余儀なくされている間、 SNSの売上は更にUPしていき、今ではお客様の生活様式の変化とともに、 SNS売上は、どのブランド、どの店舗にとっても必要不可欠なものとなりました。

前述の店スタッフのコメントにもありましたが、リアル売上に拘るだけでは結果としてスタッフが苦しむだけになりますが、 このブランドのように、何らかの形で店舗やスタッフに還元することでスタッフのモチベーションが大きく変わってきます。

前回もお伝えしましたが、このチャレンジもっともっとは、 各店が年度計画で決めた取り組みを1年間かけてPDCAを回しながら成果に繋げていくというものです。

この事例では、
「こんな店にしたい」という店ビジョンを、店長が納得するまで、拘り続けることの大切さを気づかせてくれました。
そして、目標に対して、スタッフ全員でPDCAの「C」と「A」を繰り返しながら、 工夫することを継続してきたことで今では、SNSの客数がリアルの客数の3倍以上という店舗になりました。
また、SNSに注力することが売上や利益に直結するだけではなくスタッフのモチベーションアップや、 販売のスキルアップ、そして何よりもリアル店舗への送客にも繋がるという2重・3重の相乗効果が生まれることが リアルとネットの融合がもたらす最大のメリットなのではないでしょうか。



最後までお読みいただきありがとうございました。
次回も現場からの声や事例をご紹介してまいります。

ワンスアラウンド株式会社取締役
E&C推進室室長 佐藤梨枝子


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